加齢臭とおやじ臭は同じではありません
加齢臭はカレー臭!というのはもちろん冗談で、華麗臭でもありません。カレーのようなよい匂いであれば問題はないのですが、加齢臭は多くの場合、周りを不快に感じさせてしまう中高年以降の男女に起こる体臭です。
加齢臭を言い換えるとおやじ臭だと思われていますが、加齢臭とおやじ臭は違ったものです。加齢臭はおやじといわれる男性だけではなく、男性と同じメカニズムで女性にも発生します。
ではなぜ、おやじ臭があってもおばさん臭がないのかというと、その理由は三つほどあります。
・加齢臭は女性にも見られるものの、加齢臭と大きく関係している皮脂腺の活動が男性と比較し活発ではないため。
・女性ホルモンであるエストロゲンの作用により、加齢臭の臭いの元になる物質が作られにくい。ただし、このホルモンは更年期以降に減少します。
・もともと女性は臭い(匂い)などにもよく気を遣うため。
確かに臭い対しては男性より女性の方が敏感です。これには男女の脳の構造が違うためという説をよく見かけますが、嗅覚に男女差はないという研究結果もあったり、他にも諸説あるようです。
以上の三つのなかで、加齢臭の臭いがするのはおやじだというイメージを作っているのは、女性の方が自分に対しての美意識が高く、日頃からにおいに気をつけるのは当然のことという感覚の持ち主が多いためではないかと筆者は思います。
昔は加齢臭という言葉はなかった
今ではよく聞く加齢臭という言葉なのですが、「加齢臭なんて言葉は昔はなかったよね!」と思われる方もいらっしゃるでしょう。いつ頃から加齢臭という言葉が使われるようになったかというと、2000年に資生堂研究所の研究により加齢臭の臭いの元となるノネナールが発見されてからです。加齢臭と名付けたのも資生堂です。
「加齢臭じゃなくてもう少しだけおしゃれなネーミングにしてくれたらよかったのに!」とはちょっとだけ思いますが、「資生堂も余計なことをしてくれたものだよ」と考える必要はありません。
それまで加齢臭は何が原因で不快な臭いを発していたのか分からなかったわけです。ですが、資生堂の研究によって、ノネナールが加齢臭の臭いの原因だと分かり、対策もできるようになったんです。ですから、資生堂には逆に感謝すべきことなのかもしれません。
女性のようにマメに努力するのは、男性には少し無理があるかもしれませんが、特に女性には嫌われてしまう加齢臭の臭いですから、できるだけ加齢臭の原因を排除する努力をしましょう。