スメハラは社会問題に発展している
スメハラとはスメルハラスメント（臭いによる嫌がらせ）を略した和製英語で、本人が自覚しているいないに関わらず、周囲を不快にさせる臭いで嫌がらせを行う行為を指します。
スメハラを受ける側の被害としては、頭痛や吐き気が主なものです。臭いをさせる方が加害者であり、不快に感じる方は被害者になりますが、加害者とするのはおかしいのではないか、いじめではないかという意見もあります。
今や臭いもハラスメントの一つとして一般的に認識されていますが、個人的には少し過剰反応し過ぎではでは？と思います。
とはいえ、臭いは個人の感覚によるところが大きく、やはり我慢ならない人は我慢ならないのだと思います。もちろん少数ではあるにしろ例外的に本当に周りに気を全く遣わない人も確かにいらっしゃいます。
スメハラの原因になるその臭いには、当サイトのテーマである「加齢臭」を含む体臭、ワキガ、口臭、タバコの臭いなどの他、においというより香りという表現の方が適切な香水であったり、柔軟剤のにおいなども含まれます。
最近では香水や化粧品でのスメハラを指す「コスメティック・バイオレンス」という言葉も生まれているようです。
ほんのりと香る程度ならほとんどの人が心地よく感じる匂いでも、匂いが濃すぎるとどんなに高級な香水であっても悪臭になってしまいます。
でも、これも個人の感じ方や環境に大きく左右され、いい匂いあるいは悪臭であると判断するのはあくまでも個人の嗅覚、感覚です。環境による影響も大きく、例えば食事している時に香水の匂いがすると大抵の人は不快に感じます。
ハラスメントといえば、同じハラスメントのパワハラやモラハラ、セクハラみたいに裁判になることは現在のところありません。しかし、起訴大国のアメリカではおならが原因で実際に裁判になった事例があるそうで、そのうち日本でも裁判が起こりそうな気もします。
スメハラを伝えるのは難しい
家庭でも例えば旦那からスメハラを受けていると感じいる方もいらっしゃると思いますが、家庭ならまだなんとか傷つけないように説得できるものの、職場の場合は仲間とはいえ他人ですから難しい問題です。
職場でスメハラだと感じていても、誰にも相談できずにマスクで対策しているなど、どうやって伝えるのかを悩んでいらっしゃる方が本当に多いみたいです。
特に年齢が高くなるほどスメハラを起こしている本人になっている確率が高くなりますので、いわば上司にあたる場合が多いと思います。そうなると余計に伝えるのが難しくなってしまいます。
スメハラ被害を受け我慢している人が、限界に達し退職してしまう事例もあります。しかし、スメハラが原因で退職しても加害者、被害者ともメリットになることは一つもありません。退職に追い込まれる前に本人に伝えるべきです。
上司にスメハラを伝える場合、第一にできるだけ低姿勢な態度で臨むようにしなくてはなりません。
タバコの臭いや香水の匂いなら本人の意思次第で改善はたやすいのですが、体臭の場合は本人の意思でそうしているわけではないことを理解してあげた上で伝える気持ちが重要です。
いつもは態度が大きくて絶対傷つくことはないように見えていても、ストレートな表現では、やはり傷ついてしまいます。
スメルハラスメントはとてもデリケートな問題ですから、余計に傷口を広げてしまわないよう、伝える時には周りに人がいないタイミングを考える必要もあります。
最近は会社として職場として臭い問題に取り組んでいる企業もあると聞きます。社内全体で認知されるようになると、さすがに自分の臭いに関心が全くなかった本人も気にするようになる可能性が高いと思います。
社内規定を変えることができる権限を持っている上司に相談してみるのもよい方法です。
また、相談窓口を設けている企業であれば、働きやすい環境を提供する義務があるわけですから、思い悩んで我慢する必要はなく、働きにくいと感じたり健康被害を受けていると感じるならすぐにでも相談すべきです。
社会問題にまでなっているスメハラは、これからも問題になることが増えて行くと考えられます。加害者も被害者も相手の気持ちを尊重し、お互い不利益につながらない解決方法を模索するようにしましょう。